きょうもシローは自転車に乗って絶好調。
サドルからおしりを浮かせて、力いっぱいペダルをふんだ。
行け行けシロー!
スーパージェットでゴー・ゴー・ゴー!
口に出すのははずかしいので、心のなかでつぶやいた。
行け行けシロー!
スーパージェットでゴー・ゴー・ゴー!
最近マスターしたばかりの片手ばなしでキメポーズ。お気にいりのパーカーのポケットに、はなしている手をつっこんだ。
気分ソウ快。
空は秋晴れ。
そーれそれそれ、えっさっさー。
鼻歌ふんふんまじえながら、ポケットにつっこんだ手をもぞもぞもぞ。
あれれ?
指先がなにかにふれた。
ん? なにこれ?
なぞの物体をとり出そうとしたけれど、この先左折の十字路がせまっている。
いかんいかん。
片手ばなしのままではたいへん危険だ。
というわけで、なぞの物体はそのままポケットの中に放置。右手をポケットからすぱっと出してブレーキ。
キキキキキッ!
頭のなかでブレーキの効果音。スピードをおとして十字路を左折。すぐそこの公園に自転車を乗り入れた。
ブランコの横に自転車をとめて、ほっとひと息。ふたたびシローはパーカーのポケットに手をつっこんで、もぞもぞもぞ。
ん?
なんなの、これ?
ごみくずといっしょに出てきたのは、まいどおなじみ、フィーバーガムではありませんか。
えっ?
なんでポケットに入ってんの?
シローは脳みそをフルスピードで回転させた。
うむむ・・・。
考えてはみたけれど、なぜポケットにフィーバーガムが入っているのか、まったく、さっぱり記憶がない。
どういうことか、わからない。
なんで?
鼻息をふき出しながらシローが見あげた青空に、もくもく、もくもく、雲ひとつ。
ぼくちゃんのポケットに
フィーバーガムがはいってたよ
まったくおぼえがないんだよ
なんでどうしてポケットに
フィーバーガムがはいってるの?
- 『フィーバー!』
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